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みんな大好き【ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】に物申す。

 

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みんな大好き【ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド】に物申す。


ゼルダの伝説シリーズの「ブレスオブザワイルド」といえば、言わずと知れた任天堂が送り出した名作中の名作である。

オープンワールドとマップ設計のクリエイティブがゲームユーザーに与えた感動と衝撃は間違いなく世界的に見てもトップレベルの作品だ。

しかし、こんな偉大な作品でも私という愚かな人間は純粋な心で遊び続けることができなかった・・・。

今回はその理由について考察し、書き綴っていきたいと思う。

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・遊び続ける事が出来なかった理由

この感情を例えるなら、自分の一番お気に入りのレストランが完全オリジナルの新作料理を編み出し、世界中のほとんど全ての人が美味しいと称しているのにも関わらず、自分にはイマイチ良さがわからなかった時の感覚だ。行きつけのお店であるために、何度も味を確認し、世の評価を自分で理解すべく、再度試みるものの、「ブレスオブザワイルド」という誰もが認める美食を半分ほど食した時点で箸が止まったのだ・・・。

※改めて強調をするが、「ブレスオブザワイルド」が神ゲーである事は不変の事実であり、そこに疑問は一切持っていない。前提として、どんなゲームであれ、世の中全てのユーザーを満足させる事は論理上不可能である

主な観点として、ゼルダの伝説に対し一番期待をしていた数は少ないがそれぞれ全く異なる「風貌の濃い祠(ダンジョン)」が取り消されている事だ。今作では120個の「小さな祠」と巨大なワールドマップが存在するが、それぞれに楽しむ為の要素が少ないと感じた。全体的に数が増えてグレードアップした印象があるものの、蓋を開けてみれば退化をしているように感じてしまったのだ。

今作が従来のシリーズと比べ、大きく進化を遂げた事に関しては大賛成であり、シリーズ毎に試行錯誤の上で様々なシステムの刷新を行う開発者側の姿勢は称賛に値する。しかし、今回の変化にはどうしても違和感を覚えてしまう。

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全く一緒!?しかも狭い!

従来のゼルダの伝説は完璧に限りなく近く、余す事なく遊ぶことができる印象だ。従来のシリーズでそれを体現している主な要素として、8、9箇所ほど用意された「祠」だ。各々が一つの巨大なステージとして成り立ち、風貌が全く異なる上に性質も重複がない為、プレイヤーの洞察力と記憶力、ステージへの理解力が試されていた。その為、ダンジョンの中で中々前に進めない時でも、いつしか必ず「カラクリの謎が解けた!」瞬間が訪れ、冒険をしているような気持ちにさせてくれる。各ダンジョンの最終ボスを倒し、「ハイラル」に戻った頃に見える澄み切った青空と雲は、ダンジョンの中に居た頃の窮屈でどこか不安にさせられるような雰囲気を一掃してくれる場所である。このような体感を得ることができるのも、ゼルダの伝説の最大な特徴の一つに感じる。

それに比べ、今作で数は大幅に増えたものの、120箇所の小さなダンジョンと4体の神獣が用意されたが、従来シリーズのダンジョンに匹敵するようなコンテンツではないと個人的には感じてしまった。ゲームを進めるにつれ、主に下記の5つの祠に分類した。

・戦闘のみの試練ステージ
・特定の道具を使用した謎解きステージ
・球を転がすカラクリステージ
・マップを掛け合わせた謎解きステージ
・その他いくつかの特殊なステージ

これらの要素はあくまでも従来のゼルダの伝説シリーズのダンジョンを分解しただけであり、何の問題もないように見えるが、個人的にはこの分解により、クオリティー大幅に下方修正されたように感じた。それぞれはっきりした目的があり、ミニゲームの寄せ集めのように感じてしまったのだ。そこにはこれまでのような高揚感はない。従来では、謎解きにもバトルが絡み、時には来た道を後戻りして新たな発見があったりなどと、最大の特徴といっても過言ではない「難し過ぎず、壮大で奥深い」が忠実に再現できていたと感じる。

ブレスオブザワイルドの殆どのカラクリはクオリティーも高く、簡単に突破できるものではないが、ルールを理解した途端に一瞬でステージを攻略してしまい、またすぐに巨大なマップに戻る過程に違和感を感じた。従来の作品では、各ダンジョンを攻略する際に必ず基本的なカラクリ(特性)を理解する必要があり、その上で様々なことに挑戦し、ステージクリアに近づく構成であった。ブレスオブザワイルドでは、それぞれが分裂され、体感的には“始まったかと思いきや終わっていた。”なんて感じることがあるのだ。加えて、この小さなダンジョン設計が製作者側の想像力を制限している事も要因の一つである。

・バトルシステムについて

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今作のバトルシステムは従来と比べて更に奥行きが増し、バラエティー性に長けるのが印象深い。また、戦闘とマップの設計の相性が非常に良く、天候によって戦況が変わったりと、多くのプレイヤーから好評を受けている。

しかし、このような遊び方は果たして飽きずに繰り返しが可能なものだろうか?いくら新鮮味のあるものでも、何度も繰り返していくうちに飽きてしまうものだ。また、武器の消耗やスキルの待ち時間等もプレイヤーの遊び心に制限をかけているシステムであり、鉄制の武器や、コッコを投げたり遊び方があるものの、最終的に敵と対立をして一番効率がいいのは正面からの強行突破という結論に辿り着くのである

敵の種類が少なく、ほとんどが見た目を変えただけ。もちろん、属性や攻撃のパターンに違いはあるものの、実際はあまり楽しみがない。BOSS戦では、特に戦略性などなく、種類に関してもそこらにいる雑魚敵と同様で見た目に若干の差があるだけ。バトルシステムは従来と比べ大きく進化を遂げたが、それが従来の8つのダンジョンの面白さを補えるほどのコンテンツではないと感じた

様々な収集コンテンツが用意されているが、結局は作業の繰り返し感が強い。武器は入手しても壊れるため、入手時の達成感もなく、壊れたらまた特定の場所へ行き、それの繰り返しである。

・マップ・ゲーム設計について

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最後にブレスオブザワイルドのマップについて、ディレクターは現実世界を参考に仮想空間の設計を行い、三角形と正方形の形状でプレイヤーの探究心を刺激した。このようなクリエイティブは間違いなく世界トップの水準であるとともに、天才的な任天堂の製作者一同によるものである。

しかし、やはりこの広すぎるオープンワールドでの移動時間が無駄に感じてしまい、またスタミナによる制限が存在するため、これに対し10時間以上を費やすほど面白いものでは無いと感じた。ゲームを始めて最初の10時間以降からは新鮮感が薄れ、敵、馬宿やシーカータワーなども色を変えた使い回しの物である事が途中から気付き、ワクワク感が無くなる。ワールドマップの端の方の特殊な地形以外は特には小さな発見などしかないため、探検する面白みがない。

広大な世界を感じさせられるワールドマップ、選択肢の多いバトルシステム、物理演算エンジンまで至る設計でゲーム業界をリードする「ブレスオブザワイルド」だが、今作に従来のクオリティーの巨大なダンジョンがあればどれだけワクワクして楽しいゲームになっていたのだろうか。また、今作のBGMも個人的にはかなり好きで、より一層世界観を引き立ててくれたので、聴覚コンテンツもGOOD。

・最後に

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続編も予定されているとのことで、期待を込めて書かせて頂きました。かなり好評の今作に対して完全に個人的な見解から意見を述べさせて頂きましたが、これをきっかけにゲームに対する感性がより深いものになれば幸いです。皆様のご意見も是非お聞かせください。最後までお読み頂きありがとうございました!